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産業廃棄物

廃棄物を正しく分別しないとどうなる?分別が必要な理由と分別方法を徹底解説

事業活動に伴って発生する廃棄物は、適切に分別しなければ法的リスクやコスト増加の原因となります。特に「産業廃棄物」や「事業系一般廃棄物」は、一般家庭のごみとは異なる処理が必要です。

この記事では、廃棄物分別が必要な理由や、具体的な分別方法を分かりやすく解説します。実務担当者が知っておくべき最新の基準や表も掲載し、明日から実践できるようサポートします。産業廃棄物を分別するための深い知識が身につくので、ぜひ最後までご覧ください。

産業廃棄物の分別が必要な理由

産業廃棄物の分別が必要な理由

産業廃棄物を分別せずに処理することは、廃棄物処理法違反に該当するリスクがあります。罰則だけでなく、処理業者による引取拒否や処理費用の増大を招きかねません。近年は、産業廃棄物だけでなく、一般ごみでも分別が正しくされないことで処理場での事故が発生しています。処理場で事故が発生すると、廃棄物の処理が停止する恐れがあります。

分別の徹底は、法令遵守・コスト削減・企業イメージの向上という3つのメリットを同時に実現できる重要な取り組みです。

産業廃棄物の分別表

産業廃棄物の分別表

産業廃棄物は、その種類ごとに性質が異なり、適切な処理方法も異なります。代表的な分類と注意点は以下の通りです。

廃棄物の種類 主な例 注意点
廃プラスチック類 ビニール、発泡スチロール、プラ容器 汚れがひどい場合は洗浄し、乾燥させてから分別
金属くず 切削くず、空き缶、金属部品 油分が付着した場合は専用処理が必要
ガラス・
陶磁器くず
ガラス破片、陶器、レンガ、タイル 鋭利なものは破損防止の養生が必須
紙くず コピー用紙、包装紙、書類 機密書類は破砕処理、個人情報に注意
木くず 木製パレット、角材、合板 防腐処理材かどうかで処理方法が異なる
繊維くず 作業着、ウエス、軍手 濡れたものはカビ防止のため乾燥処理
ゴムくず タイヤ、ゴムパッキン 金属が混在しないよう注意
汚泥 インク汚泥、研磨汚泥、排水処理汚泥 水分を含む場合は脱水処理が前提
燃え殻 ボイラー灰、炉の残灰 飛散防止のため密封が必要
ばいじん 集塵装置のばいじん 漏洩防止の対策が求められる
動植物性残さ 食品加工残渣、植物性廃棄物 腐敗防止のため早期処理が望ましい

POINT

正しい分別と保管体制を整えることで、処理コストの削減やコンプライアンス対策にもつながります。

事業系一般廃棄物の分別表

事業所から出るごみのうち、産業廃棄物に該当しないものは「事業系一般廃棄物」として分類されます。こちらも自治体ごとに処理ルールが異なるため、以下のような分別が不可欠です。

廃棄物の種類 主な例 分別時の注意点
生ごみ 食材の切れ端、弁当の残り 水気をしっかり切ってから廃棄
紙くず 書類、コピー用紙、段ボール ホチキス・クリップの除去が推奨される
ビン・カン・
ペットボトル
飲料容器など 中身を洗浄し、ラベルは可能な限り除去
プラス
チック類
レジ袋、包装材、トレー 油や食品残渣が付着している場合は可燃扱いに
衣類 制服、作業着、タオル 洗浄済みのものが望ましい
金属くず 空き缶、部品、棚など 鋭利なものは破損防止の養生を実施
粗大ごみ 机、椅子、書庫 大型の場合は事前の解体が必要なケースも
蛍光灯・
電池
使用済み蛍光灯、乾電池 特別処理物として指定業者に委託
事務機器類 パソコン、プリンター、電話 リース契約がある場合は事前確認
木材・枝葉 廃材、剪定枝など 土砂や石が混入しないように注意
その他
可燃ごみ
ティッシュ、汚れた紙 不燃物との混合を避けることが重要

POINT

こうした分別表を社内掲示板や倉庫に掲示して、全従業員がいつでも確認できる体制を整えておくと適切な分別が進みます。

廃棄物を分別するメリット

メリット

廃棄物を正しく分別することで、処理コストや環境負荷の削減、リサイクル促進といった多くのメリットが得られます。ここでは、廃棄物を正しく分別することのメリットを詳しく解説します。

廃棄物の量の減少

異なる性質の廃棄物を混合して処理すると、リサイクルができずすべて焼却または埋立て処分となります。そうなると、結果的に廃棄物総量の増加は避けられません。分別を徹底することで、資源ごとに最適な再利用ルートが確保され、最終処分量を大幅に削減できます。特に製造業や飲食業では、定期的な見直しで効果が明確に表れます。

リサイクル率の向上

廃棄物を素材ごとに分けておくことで、再資源化施設でのスムーズな処理が可能です。例えば、紙くず・金属くず・廃プラスチックなどをそれぞれ適切に分けることで、資源循環の効率が向上します。その結果、全体としてのリサイクル率が上昇します。これは企業の環境配慮姿勢として社外へのアピール材料にもなるため、リサイクルは社会活動に欠かせません。

売却益になる

鉄やアルミ、銅といった金属類は、スクラップとして買取が可能なケースが多くあります。分別されていない廃棄物にこれらが含まれていても、混合物として処理されるため価値はゼロです。しかし、分別して適正な状態で保管すれば、リサイクル業者に売却し収益化できる場合もあります。廃棄物を正しく分別することで、コスト削減と収益の両面に寄与します。

廃棄物を分別しないデメリット

デメリット

廃棄物の分別を怠ると、処理費用が増えるばかりか、機械のトラブルや安全リスクにもつながります。ここでは、廃棄物を分別しないことのデメリットを解説します。不要なトラブルを避けるためにも、分別しないことのリスクを理解する参考にしてみてください。

設備故障やケガの発生

金属片やガラスくずなどの異物が機械に混入すると、設備の損傷やライン停止の原因になります。また、分別されていない鋭利物や液体を手作業で扱う場合、作業者のケガや感染症リスクも発生します。設備の故障や作業者のケガは、事業の適切な運営に支障をきたす大きな要因です。適切な分別は、従業員の安全確保や機械の保全のために極めて重要です。

コストの増加

分別されていない廃棄物は「混合廃棄物」として扱われ、処理単価が高くなります。さらに、再資源化が難しくなることでリサイクル費用の軽減が見込めず、全体の処理費が上昇します。また、売却が可能な資源を見逃すリスクは少なくありません。逆に、分別を徹底することで処理価格の優遇や基本料金削減など、明確なコストメリットが得られます。

委託先からの損害賠償の可能性

産業廃棄物処理委託契約では、排出者が分別や前処理を行う義務があります。契約通りに分別されていない場合、処理業者側での作業負担や設備トラブルが発生することも珍しくありません。損害が生じれば、排出者に賠償請求されるリスクがあります。実際に、正しく分別がされていないことから、火災などにより処理場が停止したケースが近年増えています。

特に分別で注意が必要な廃棄物

リチウムイオン電池

一部の廃棄物は、通常の可燃・不燃ごみと異なり、取り扱いを誤ると重大な事故や環境被害を招く恐れがあります。なかでも、ここで解説するリチウムイオン電池や蓄電池は、発火リスクが高く分別と保管方法に特に注意が必要です。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、小型ながらも高出力なバッテリーです。衝撃や水濡れ、過充電によって発火するリスクがあります。そのため、廃棄物に混在していると収集・運搬中に火災を引き起こす危険性があります。実際に、ごみ処理施設での火災原因の多くが、リチウムイオン電池です。使用済みの際は、専用回収箱や指定業者を利用することが推奨されます。

蓄電池

太陽光発電や電気自動車の普及により、業務用蓄電池の廃棄も増加傾向にあります。蓄電池は内部に多量の電気を蓄えているため、適切な放電処理をせずに廃棄すると、感電や爆発のリスクがあります。重金属を含んでいる場合は、土壌や水質への環境汚染の懸念もあるため、処理は産廃許可を持つ専門業者へ依頼することが不可欠です。

分別を怠るとどうなるか

分別を怠ると

廃棄物の分別を怠ると、企業内だけでなく近隣住民や社会全体に悪影響が及びます。ここでは、廃棄物を正しく分別しなかった場合の影響を解説します。

近隣住民や環境に悪影響を及ぼす

可燃ごみの中にリチウム電池が混入したことで収集車内や処理場で火災が発生する事故は、後を絶ちません。また、廃プラスチックの適正処理がされないことで不法投棄や環境汚染に至ります。近隣住民からの苦情や行政指導に発展すれば、企業の信頼も失墜します。日常的な廃棄物管理が、企業の社会的責任(CSR)評価にも直結する時代です。

取引先へ迷惑がかかる

適正な分別が行われていない場合、処理委託先に過大な負担がかかり、スケジュール遅延や設備の不具合につながることもあります。また、分別の不徹底により契約違反と判断されれば、損害賠償請求を受けるケースもあります。最終的には、契約解除・入札除外といった実害にも発展しかねません。その結果、悪影響が連鎖し、経済的・社会的損失を招きます。

ビクトリーでの廃棄物分別の取り組み

廃棄物を分別するメリット

産業廃棄物処理のプロフェッショナルであるビクトリーでは、法令に準拠した分別管理とトレーサビリティ体制を徹底しており、現場での分別指導やマニフェスト管理、定期レポートの提供によりお客様のコンプライアンス強化とコスト最適化を同時にサポートします。このように、ビクトリーでは分別から最終処分まで、一貫して安心して任せられる体制を整えています。

まとめ

この記事のまとめ

今回は、廃棄物の分別の重要性を解説しました。廃棄物分別は、単なる業務の一環ではなく、企業の安全・コスト・環境責任に直結する重要な業務です。分別の徹底により、処理費の削減・リサイクル率の向上・売却益の確保が可能となります。

一方で怠れば火災リスクや契約違反など深刻な問題を招きます。特に、リチウムイオン電池や蓄電池といった危険物には細心の注意が必要です。今一度、自社の廃棄物分別体制を見直し、専門業者との連携を深めていくことが求められています。

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