お役立ちコラム

「老朽化した家を解体したいが、費用が高くて踏み出せない」そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。住宅を解体する際には、自治体ごとに設けられている『解体工事補助金制度』を活用できる場合があります。

そこでこの記事では、補助金の仕組みや対象条件、申請の流れをわかりやすく解説します。

国や自治体ごとの特徴を理解すれば、数十万円以上の支援を受けることも可能です。解体工事を検討する際の参考になるため、ぜひご覧ください。

解体補助金とは？

「解体補助金」とは、老朽化や空き家となった建物を解体する際、国や自治体が工事費用の一部を助成する制度です。放置空き家の増加を防ぎ、安全で住みやすい地域環境を維持する目的で設けられています。ここでは、解体補助金について詳しく解説します。

補助金の種類

解体工事に関する補助金は大きく分けて以下の3つに分類されます。最も一般的なのは

• 空き家解体補助金
• 建て替えに伴う解体補助金
• 災害・防災関連補助金

支給額は自治体により異なりますが、概ね30万円から100万円前後が相場です。地方都市では最大50万円、東京都の一部の区では100万円近い補助が受けられるケースもあります。災害などに伴う解体の場合、全額公費で賄われることもありますが、全ての建物が対象となるわけではありません。

対象となる建物

補助金の対象となるのは、一定期間使用されていない、または倒壊の危険がある建物です。多くの自治体では、1年以上居住実績のない空き家や老朽化が進んだ木造住宅、木造二階建て住宅などが対象になります。

補助金でカバーされる費用とされない費用

補助金でカバーされるのは、主に解体と処分に直接関わる費用です。たとえば、建物本体の解体や基礎部分の撤去、廃材の収集・運搬・処分にかかる費用です。そして、作業時に必要な足場や養生シートの設置費用などが含まれます。

解体工事に補助金が活用される背景

解体補助金の導入が広がった背景には、全国的に増加する空き家問題があります。ここでは、そうした解体工事に補助金が活用される背景を解説します。補助金が支給される背景を踏まえて、効率的な解体工事を計画してみてください。

空き家問題と倒壊リスク

解体工事が活用される背景の1つが、空き家問題と倒壊リスクです。老朽化した空き家は自然災害時に倒壊の危険が高く、放置されることで火災や不法侵入、害虫被害などのトラブルも発生します。こうしたリスクを軽減するため、自治体は補助金制度を設けて危険建物の除却を支援しています。

景観や防災面での自治体の取り組み

各自治体では、防災や景観の維持を目的に独自の補助制度を設けているケースも珍しくありません。東京都では「不燃化特区」を設定し、倒壊の恐れがある建物を対象に最大100万円の補助金を交付しています。

国・自治体が補助金を設ける目的

国や自治体が解体補助金を設ける目的は、単なる空き家の減少ではありません。第一に、安全性の確保です。老朽化した建物の倒壊を防ぎ、災害時の被害を最小限に抑えることが重視されています。

次に、地域の景観を維持するという観点も大きな目的の一つです。空き家の撤去によって街の印象が明るくなり、住民の安心感や地域の魅力が向上します。さらに、更地になった土地を再利用することで、地域経済の活性化にもつながります。このように、補助金制度は「個人の負担軽減」と「地域再生」の両面から社会に貢献する仕組みです。

自治体の解体工事補助金制度

解体工事の補助金制度は全国の自治体で設けられていますが、その内容は地域によって大きく異なります。そこで、ここでは埼玉県と東京都の事例をもとに、解体工事の補助金制度を解説します。

埼玉県の解体工事補助金の事例

埼玉県では、多くの市町村が空き家対策として解体補助金制度を導入しています。たとえば、八潮市では、ブロック塀の解体に対する補助金制度が設けられています。秩父市や行田市、東松山市では、老朽化した建物の解体費用に対する補助金制度の利用が可能です。対象となる建物や補助金額は、市町村の役所で相談してみてください。

東京都の解体工事補助金の事例

東京都は、全国の中でも特に解体に対する補助制度が充実している地域です。なかでも代表的なのが、木造住宅密集地域で実施されている「不燃化特区制度」です。この制度では、老朽化した木造家屋の除却に対し、最大100万円の補助金が交付されます。多くの区で実施されており、解体後の建て替えや耐火構造への移行を支援しています。

補助金の申請条件と流れ

補助金を受けるためには、自治体が定める申請条件を満たす必要があります。建物の状態や所有者の要件、提出書類などが明確に定められており、条件を満たさない場合は補助を受けられません。ここでは申請資格と手続きの流れを整理します。

申請できる人

解体工事の補助金を申請できる人は、原則として対象建物の所有者、もしくは相続人です。所有者が複数いる場合は全員の同意が必要で、賃貸物件や法人所有の建物は対象外となることがあります。また、固定資産税を滞納している場合や、過去に同じ制度で補助を受けたことがある場合は認められないケースがあります。

申請に必要な書類

申請時には、いくつかの書類を提出する必要があります。一般的には、以下の書類が必要です。

• 申請書
• 建物の登記簿謄本
• 現況写真
• 解体費用の見積書
• 所有者の同意書
• 印鑑証明書

提出書類は自治体によって細かく定められています。申請前に自治体の公式サイトや窓口で確認し、不備のないよう準備しておくことが重要です。

申請から交付までの流れ

補助金申請の流れは、申請書類を自治体に提出し、現地調査を受けることが一般的です。審査を経て交付が決定されると、解体工事を実施できます。工事完了後は、必要書類を提出し、最終的に補助金が振り込まれる流れです。申請から交付までには1〜3か月ほどかかることが多く、解体時期に合わせて余裕を持ったスケジュール管理が重要です。

建て替え・住宅解体と補助金の関係

解体補助金は「空き家対策」だけでなく、「建て替え」に伴う解体にも適用される場合があります。そこで、ここでは建て替えと住宅解体の補助金との関係を解説します。制度の趣旨を理解し、どのようなケースで利用できるのかを把握しましょう。

建て替え時に補助金が使える場合

建て替えに伴う補助金が使えるのは、老朽化した住宅を解体し、安全性や耐震性を向上させる場合です。特に、耐震改修や防災上の観点から行う建て替えでは、自治体が積極的に補助を行う傾向があります。解体に対する補助金制度は、地域全体の安全性を高めるとともに、老朽住宅の更新を促進する目的で実施されています。

補助金が使えないケース

一方で、補助金が使えないケースも明確に定められています。たとえば、単にリフォームのために一時的に建物を解体する場合や、空き家ではない住宅を解体して土地を売却する場合は対象外となります。補助金の目的は公共性の高い空き家対策や防災の推進です。営利目的や手続き不備のあるケースでは支給されない点に注意が必要です。

解体工事補助金を利用する際の注意点

解体工事の補助金は大変魅力的な制度ですが、申請方法や手続きのタイミングを誤ると受給できない場合があります。ここでは、解体工事で補助金を利用する際の注意点を解説します。

申請は必ず工事の着手前に行わなければいけない

最も重要な注意点は、「申請は必ず工事を始める前に行う」という点です。自治体の補助金は、申請書類の受理と審査を経て交付決定が出た後に工事を行うことが原則とされています。見積もりを取った段階で自治体に相談し、補助対象となるかを確認してから契約や着工に進んでください。そして、必ず申請後に工事に取り掛かりましょう。

審査に時間がかかる

補助金の申請から交付決定までには一定の期間を要します。自治体によっては、申請件数が多い時期には審査に1〜2か月以上かかることもあります。現地調査や書類の確認などを経て審査が行われるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。特に年度末は申請が集中しやすいため、早めの相談をおすすめします。

補助金の対象となるかは自治体で異なる

補助金の条件や対象範囲は、自治体によって大きく異なります。たとえば「老朽化した木造住宅」を対象とする地域もあれば、「危険度診断で基準値を超えた空き家」に限定している自治体もあります。最新の情報は必ず自治体の公式サイトや窓口で確認し、不明点があれば直接問い合わせることが確実です。

補助金の受け取りは工事完了後

補助金は工事が完了し、報告書や写真、領収書などの提出が確認された後に支払われることが一般的です。そのため、解体費用を一時的に立て替える資金計画も重要です。工事後の報告書類に不備があると支給が遅れることもあるため、業者と連携して完了報告を確実に提出することが求められます。

自治体の補助金を利用した解体工事はビクトリーにおまかせ

補助金を活用して解体工事を行うなら、補助金申請に精通した専門業者に依頼することが安心です。埼玉県八潮市に拠点を置くビクトリーでは、各自治体の補助金制度に対応した解体サポートを行っています。

特に埼玉県や東京都の自治体制度に詳しく、補助金を最大限に活用した費用削減を実現しています。「補助金の条件がわからない」「どこから手をつけていいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

まとめ

この記事では、解体工事に対して自治体が支給する補助金について解説しました。解体工事の補助金は、空き家の解体費用を大幅に軽減できる非常に有用な制度です。しかし、申請のタイミングや条件を誤ると受給できなくなることもあるため、手続きを正しく理解する必要があります。

申請は必ず工事の着手前に行い、審査期間を考慮して余裕を持ったスケジュールを組みましょう。補助金を上手に活用して、費用を抑えながら安心・安全な解体工事を実現しましょう。

総合解体 / 解体事業についてはこちら