相続した建物の解体は名義変更なしでOK?費用は誰が払う?税金で損しない注意点と手続きを解説

実家などの建物を相続することになった際、老朽化などにより「解体したい」と考える方は少なくありません。しかし、いざ手続きを始めようとすると、名義変更や解体費用などさまざまな疑問に直面するはずです。
そこで本記事では、相続した建物を解体する際の注意点や損をしないための税金対策、具体的な手続きの流れについて解説します。実際のトラブル事例や解決策も交えて解説するので、後悔のない選択をするための参考にしてください。
お電話でのご相談
平日 8:00-18:00
最短即日対応◎メールフォーム
相続した建物を解体する前に確認すべき基本

相続が発生した直後の建物は、法的な権利関係が複雑になりがちです。解体工事を具体的に計画する前に、まずは所有権や基本的なルールを理解し、トラブルの芽を摘んでおくことが重要です。ここでは、相続した建物を解体する前に確認すべき基本を解説します。
所有者が死亡した建物の取り壊しは相続人全員の同意が必要

建物の名義人が死亡している場合、遺産分割協議が完了するまでの間、「相続人全員の共有財産」として扱われます。たとえ長男でも、あるいは「自分が一番面倒を見ていた」などの事情があっても、特定の一人の判断だけでは解体できません。
他の相続人に無断で解体すると、民法上の不法行為(器物損壊等)に問われ、損害賠償を請求されるリスクがあります。後々の絶縁トラブルを防ぐためにも、必ず相続人全員から同意を得ておくことが大原則です。
相続登記(名義変更)をしていない建物でも解体は可能
亡くなった親の名義のままでも、相続人全員の同意があれば建物の解体工事自体は可能です。工事契約のために、わざわざ司法書士に依頼して、費用と時間をかけて事前に相続登記(名義変更)を完了させる必要はありません。
解体後に法務局へ「建物滅失登記」を申請すれば、登記簿自体が閉鎖されます。そのため、結果的に建物自体の名義変更手続きは不要です。ただし、2024年4月から相続登記が義務化されており、長期間放置すると過料の対象となる可能性があります。
以下の工事では、建物解体の基本的な知識を紹介しています。参考になるため、併せてご覧ください。
合わせて読みたい関連ページ
相続した建物を放置するリスク

解体費用や手続きを理由に解体の判断を先送りにすると、かえって金銭的・法的に大きな損失を生む可能性があります。ここでは、誰も住まない空き家をそのまま放置し続けることの具体的なリスクについて解説します。
「特定空き家」認定による固定資産税の増税リスク
倒壊の恐れや衛生上の問題がある建物は、自治体から「特定空き家」に認定される可能性があるため、注意が必要です。これに認定され、自治体からの改善勧告を受けると、土地の固定資産税に適用されている「住宅用地の特例」が解除されます。
つまり、建物を残していても解体後の更地と同じ高い税率が適用され、税負担が増加します。「固定資産税を安くするために、解体しない」という節税策は、管理不全の空き家では通用しないことを把握しておきましょう。
建物所有者責任(工作物責任)による損害賠償リスク
相続した建物の管理責任は、現在の所有者(相続人全員)にあります。老朽化した屋根瓦やブロック塀が崩れると、通行人に怪我を負わせる恐れがあります。この場合、所有者は過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負わなければなりません(民法第717条 工作物責任)。
実際に、台風で空き家の屋根が飛び、隣家や車を破損させて数百万〜数千万円の賠償請求に発展した事例もあります。管理できない建物を所有し続けることは、資産ではなく重大な「負債」を抱えている状態と言えます。
相続した建物を解体する際の手続きと流れ

名義変更が済んでいない状態の建物を解体するには、通常の解体工事とは異なる段取りが必要です。ここでは、遺産分割から登記完了までの一連の流れと、各ステップで躓きやすいポイントを解説します。
遺産分割協議で解体費用の負担者と建物の取得者を決める
遺産分割協議では、単に「誰が家を継ぐか」だけでなく、「誰が解体費用を負担するか」まで明確に決定します。解体後の土地を相続する人が費用も負担するケースが一般的です。しかし、土地の価値よりも解体費の方が高い場合などもあり、トラブルになることもあります。
そのため、全体の資産バランスを見ながら調整が必要です。解体費用の負担者が曖昧だと、業者への支払いが滞る事態にもなりかねません。必ず「遺産分割協議書」などの書面に残すことをおすすめします。
建物滅失登記は相続人の代表者が申請する
建物を取り壊した後、1ヶ月以内に法務局へ「建物滅失登記」を申請しなければいけません。通常は登記名義人が手続きします。名義人が死亡している場合は、相続人のうちの1人が「申出人(申請人)」として手続きを行うことが可能です。
この際、申請書には以下の書類が必要となるのが一般的です。土地家屋調査士へ依頼する場合も、これらの書類は相続人側で用意する必要がありますので、早めに手配しておきましょう。
- 建物滅失登記申請書
- 解体業者の取り壊し証明書・印鑑証明書・会社登記事項証明書
- 被相続人の除籍謄本(死亡の事実がわかるもの)
- 申請人の戸籍謄本(相続人であることがわかるもの)
- 遺産分割協議書(必要な場合あり)
未登記建物の場合は「家屋滅失届」を提出
地方の実家など古い建物の場合、法務局に登記されていない「未登記建物」であるケースも珍しくありません。この場合は法務局での滅失登記は不要ですが、何もしなくて良いわけではありません。
代わりに、建物の所在する自治体の税務課(資産税課など)へ「家屋滅失届」を提出する必要があります。自治体はこの届出に基づいて固定資産税の課税台帳を更新します。提出を忘れると、翌年以降も建物分の固定資産税の納付書が届き続けてしまうリスクがあるため注意が必要です。
以下の記事では、建物を解体する際の流れをわかりやすくまとめています。参考になるため、併せてご覧ください。
合わせて読みたい関連ページ
費用は安くなる?解体費用と税金に関する注意点

解体工事には数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。少しでも負担を減らすためには税制優遇や、節税対策の知識を身につけることが大切です。ここでは、やってはいけない節税対策の勘違いや金銭面での損得に関わる重要な注意点を解説します。
相続税の債務控除には原則ならない点に注意が必要
「解体費用を支払えば、その分相続財産が減って相続税が安くなる」と考える方もいます。しかし、これは原則として認められません。債務控除の対象となるのは、被相続人が亡くなった時点で既に存在していた借金や未払金に限られるからです。
相続人が自身の判断で行った解体工事の費用は、あくまで個人の出費とみなされます。被相続人が生前に解体契約を結び、工事前や支払い前に亡くなった場合、未払金として処理できるケースもあります。
POINT
ご自身の状況が適用されるか判断が難しい場合は、税理士への相談がおすすめです。
譲渡所得税を抑える「取得費加算の特例」と「3000万円控除」
相続した建物を解体後、土地を売却する際に課される譲渡所得税は、特例の活用で大幅に抑えられます。「取得費加算の特例」により相続税の一部が売却益から控除され、解体費用も譲渡費用として経費計上でき、税額を圧縮できます。
また、要件を満たした空き家を解体・売却した場合、「3,000万円特別控除」で最大3,000万円の控除が可能です。
POINT
特例適用には、確定申告で解体業者の領収書や契約書の添付が必須となるため、必ず大切に保管しましょう。
トラブルを防ぐための解体業者選びのポイント
相続物件の解体は、通常の工事以上に近隣への配慮や、書類手続きの正確さが求められます。ここでは、安心して工事を任せるための業者選びのポイントと、予期せぬトラブルを未然に防ぐためのチェック項目を紹介します。
近隣挨拶と丁寧な説明ができる業者を選ぶ

解体工事におけるトラブルの約8割は、騒音や振動、粉塵に対する近隣住民からのクレームだと言われています。相続物件の場合、依頼主である相続人が遠方に住んでいて現場に来られないケースも多く、業者の対応品質がそのまま依頼主の評判に直結します。
POINT
着工前に、業者の担当者が責任を持って近隣への挨拶回りを行ってくれるかを確認しましょう。不在の多い近隣の方へも手紙を投函するなど、きめ細やかな配慮ができる業者は、工事自体も丁寧で安全です。
正確な見積もりと追加費用の有無を確認する

解体工事では、地中埋設物(基礎、浄化槽など)の発見により追加費用が発生するリスクがあります。優良な業者は、現地調査で埋設物の可能性と、追加工事の単価を事前に提示します。
一方、「一式○○万円」などの大雑把な見積もりを提示する業者には注意が必要です。不当な追加料金や、本来含まれるべき廃棄物処分費の別請求につながる恐れがあります。
POINT
内訳が明確で、丁寧な説明がある業者を選ぶことが大切です。
以下の記事では、解体業者を選ぶ際のポイントを詳しく解説しています。参考になるため、併せてご覧ください。
合わせて読みたい関連ページ
相続解体の現場でよくある質問

ここでは、実際に株式会社ビクトリーに寄せられる相談の中から、特に多いトラブルや疑問をQ&A形式で紹介します。現場を知る解体業者だからこそわかる、リアルな解決策を参考にしてください。
Q.亡くなった親の銀行口座から解体費用を払ってもいい?
口座凍結前でも、安易に亡くなった親の銀行口座からお金を引き出して解体費用に充てることは推奨しません。なぜなら、「遺産の使い込み」と疑われたり、借金も含め遺産を引き継ぐ「単純承認」とみなされることがあるからです。単純承認と認められると、相続放棄ができなくなったりするリスクがあります。
そのため、まずは相続人全員で話し合って、「誰が立て替えるか」「遺産分割でどう精算するか」を書面に残してから動くのが最も安全な方法です。
Q.建物内に大量の荷物(残置物)がある場合はどうすればいい?
費用が高額になる最大の要因が、建物内の残置物です。被相続人が急に亡くなると家の中に家具や家電がそのまま残ることは珍しくありません。これらを解体業者が処分すると高額な産業廃棄物扱いになります。
POINT
コストを抑える鉄則は、事前に自分たちで自治体のゴミ回収に出すか、遺品整理業者を利用して処分することです。弊社では一括見積もりも可能ですが、お客様の負担を減らすためにも、可能な限りご自身での整理を推奨しています。
Q.隣の家と壁が繋がっている(長屋)ですが解体できますか?
長屋の一部だけを解体する「切り離し解体」は、技術的に非常に難易度が高い工事です。単に壊すだけでなく、切り離した後の隣家の壁の補修や、雨漏り防止処理(防水工事)が必要だからです。
この場合、解体の同意だけでなく補修範囲や費用負担、振動リスクについて隣人との綿密な協議が欠かせません。
POINT
経験の浅い業者に頼むと、重大な事故につながる恐れがあるため、長屋の解体実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
相続した建物の解体ならビクトリーにおまかせ

相続した建物の解体は、家族の思い出の整理と次世代への資産承継を兼ねています。一方、権利関係や税金の手続き、精神的負担など多くの課題を整理して解決しなければいけません。
株式会社ビクトリーは、数多くの相続物件の解体工事を手掛け、技術的な品質に加え近隣配慮や行政手続きもサポートします。お客様の事情に寄り添い、最適なプランをご提案します。何から手をつけて良いか分からない方も、まず一度ご相談ください。
まとめ

相続した建物を解体する際は、相続人全員の同意形成や適切な登記手続き、税金の特例活用など多くの注意点が存在します。判断を誤ると、税制上の優遇を受けられなかったり、親族間トラブルに発展したりする恐れがあります。
まずは信頼できる解体業者に現地を見てもらい、正確な見積もりとスケジュールを確認することから始めましょう。プロのアドバイスを受けることで、複雑な問題も一つずつクリアできます。安全で確実な解体工事なら、ぜひ株式会社ビクトリーにお任せください。
総合解体 / 解体事業の流れについてはこちら



