グラスウールやロックウールを処分するには?法人と個人の違いと安全な取扱いのコツ

断熱材として広く普及しているグラスウールやロックウールは、一般的な粗大ゴミとは異なり、法律に基づいた適切な処理が求められる産業廃棄物です。そのため、解体などの際にいざ処分するとなると分別や処分方法で悩みを抱える方は少なくありません。
この記事では、グラスウールやロックウールの正しい廃棄物の分類から、法人・個人それぞれの処分フローを解説します。また、作業員の安全を守る取り扱いのコツまでを紹介します。
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グラスウールとロックウールの特徴
グラスウールとロックウールは、見た目が似ていても原料や特性が異なります。ここでは、両者の違いと、よく混同されがちな「アスベスト」との決定的な相違点について解説します。素材の性質を知り、専門的な処分の必要性を知識として身につけましょう。
グラスウールの特徴

グラスウールは、その名の通り「ガラス」を主原料とした人工的な繊維です。建築現場で発生したガラスの端材や、家庭から回収された空きビンなどを高温で溶かし、遠心力で綿状に繊維化したものです。
最大の特徴は、繊維の間に空気を閉じ込めることによる高い断熱性と吸音性です。シロアリなどの害虫被害を受けにくく、経年劣化が少ないというメリットがあります。一度溶かせば再生できるため、リサイクル性が非常に高い環境配慮型の素材としても知られています。
ロックウールの特徴

ロックウールは、玄武岩などの天然鉱物や鉄鋼スラグを高温で溶かして繊維状にした資材です。「岩綿(がんめん)」とも呼ばれます。グラスウールと同様に断熱・吸音性に優れていますが、特に「耐熱性」と「耐火性」に強いのが特徴です。
ロックウールは燃えにくいため、耐火被覆材としてビルの鉄骨などに吹き付けて使われることもあります。また、撥水性が比較的高く、湿気に強いという点もグラスウールとの違いです。処分においては耐火性の高さから高温処理が必要となる場合があります。
アスベストとの違い

画像は、アスベスト(石綿)が含まれている可能性のある屋根材の撤去作業の様子
建築に関わる方や古い建物を知る方の中には、「断熱材=危険なアスベスト」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、グラスウールやロックウールはアスベストとは全く別物です。アスベストは天然の鉱物繊維で、深刻な健康被害(発がん性)が確認されています。
一方、グラスウールやロックウールは、万が一体内に入っても溶けて排出される「生体溶解性」を持っています。そのため、アスベストのような危険性はない資材です。
POINT
ただし、解体時には粉塵が出るため、適切な防護は必須です。
グラスウール・ロックウールの廃棄物分類は?

これらを処分する際、最も重要なのが「廃棄物処理法」に基づく正しい分類です。誤った品目で処分すると、不法投棄とみなされ罰則を受けるリスクがあります。ここでは、排出事業者が知っておくべき法的な分類ルールを解説します。
基本は「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」

グラスウールやロックウール単体の場合、廃棄物処理法上の分類は「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」となります。これは、主原料がガラスや鉱物スラグであるためです。
建設現場や解体工事で排出される場合、これらは安定型品目として扱われることが一般的です。しかし、雨に濡れたり、汚泥と混ざったりした場合は「汚泥」として扱われるケースもあります。
POINT
汚泥になると、処分費用が跳ね上がる可能性があるため、保管状態には細心の注意が必要です。
防湿シートが付いている場合は「混合廃棄物」
住宅用断熱材の多くは、湿気を防ぐためのビニールシートや紙(防湿層)で包まれています。この状態で廃棄する場合、単一の「ガラスくず」として扱うことはできません。
この場合は、「ガラスくず」に加えて、シート部分の「廃プラスチック類」や「紙くず」が混在した「混合廃棄物」として分類されます。混合廃棄物は処理単価が高くなる傾向にあります。
POINT
コストを抑えるには、現場で可能な限り素材ごとに分別(解体)することがおすすめです。
【法人・事業者】正しい処分フローとリサイクル

事業活動に伴って排出された断熱材は、排出事業者である企業が責任を持って処理しなければなりません。ここでは、コンプライアンスを遵守した排出事業者の正しい処分フローと、環境負荷を減らすリサイクルの仕組みを解説します。
収集運搬業者と処分業者の選定

産業廃棄物の処理を委託する場合、「収集運搬業者」と「処分業者」それぞれと書面で契約を結ぶ必要があります。この際、最も重要なのが許可証の確認です。委託する廃棄物の品目(ガラスくず、廃プラスチック類など)の許可を持っている業者でなければなりません。
無許可の業者に委託することは法律違反となります。特に防湿シート付きの断熱材は混合廃棄物となるため、両方の品目の許可が必要です。
POINT
見積もりの安さだけで選ばず、実績と法令遵守の姿勢を確認してから契約することが大切です。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行

画像は紙のマニフェスト
業者への引き渡し時には、「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の発行が義務付けられています。これは、廃棄物が最終処分まで適正に処理されたかを確認する書類です。排出事業者は、処理終了後に返送されるマニフェストを確認し、5年間保存しなければいけません。
近年では、事務処理の効率化や不正防止の観点から「電子マニフェスト」の普及が進んでいます。法令違反を防ぐためにも、マニフェストの運用ルールを社内で徹底し、管理体制を整えることが重要です。
広域認定制度とリサイクル
環境省の「広域認定制度」を利用すれば、製造メーカーなどが廃棄物を広域的に回収し、リサイクルすることが可能です。メーカーの中には、建築現場で出た端材を回収し、再び断熱材の原料として再生するシステムを構築している企業もあります。
また、セメントの原料や路盤材として再資源化するルートも存在します。
POINT
埋め立て処分ではなく、こうしたリサイクルルートを持つ業者を選定することは、企業のCSR(企業の社会的責任)活動としても高く評価されます。
以下の記事では、産業廃棄物の処理方法を詳しく解説しています。法人や事業者が廃棄物を処理する際の参考になるため、併せてご覧ください。
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【個人・DIY】家庭で出たグラスウール・ロックウールの捨て方
DIYや自宅のリフォームで出た断熱材の処分は、法人よりもハードルが高くなりがちです。見た目は燃えるゴミのように見えても、多くの自治体では回収の対象外となっているからです。ここでは、個人が安全かつ合法的に処分するための選択肢と手順を解説します。
基本的には自治体での回収は難しい

グラスウールやロックウールは、基本的に一般的な「燃えるゴミ」や「燃えないゴミ」としては出せません。処理施設の炉を傷める恐れがあるため、「適正処理困難物」として指定している自治体が多いためです。
一部の自治体では、指定のゴミ袋に入るサイズに切断すれば回収してくれる場合もあります。しかし、これはあくまで例外的な対応です。自己判断で集積所に出すと、回収されずに残されるといったトラブルの原因となります。そのため、必ず事前に居住地の役所やクリーンセンターへ電話で確認してください。
個人での「持ち込み」や不用品回収業者を利用
自治体で断られた場合、個人からの持ち込みを受け入れている産業廃棄物処理業者を探す必要があります。「お住まいの地域名 断熱材 持ち込み」などで検索し、事前に連絡を入れて受け入れ可否と料金を確認してみてください。
自分で運搬するのが難しい場合は、民間の不用品回収業者に依頼する方法があります。ただし、中には高額請求や不法投棄を行う悪質な業者も存在します。「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持っているか、料金体系が明確かを確認してから依頼することがトラブル回避の鍵です。
チクチクを防ぐ!安全な取り扱いと梱包のコツ

グラスウールやロックウールを扱う際、「皮膚がチクチクする」「吸い込むと不安」などの悩みはつきものです。これらは繊維が皮膚に物理的な刺激を与えることで起こります。ここでは、グラスウールとロックウールの安全な取り扱いと梱包のコツを紹介します。
服装と保護具の準備
作業時は、肌の露出を極力減らすことが基本です。長袖・長ズボンを着用し、首元にはタオルを巻いて隙間をなくします。手袋は、繊維を通しにくいゴム製や革製のものが推奨されます。軍手は網目から繊維が入り込むため使用を控えましょう。
また、粉塵を吸い込まないよう、DS2区分以上の防塵マスクと目を守る保護メガネも必須です。万が一皮膚に付着して痒みを感じた場合は、こすらずに水やぬるま湯で洗い流してください。
POINT
こすると繊維が皮膚に食い込み、痒みが悪化します。
飛散防止の梱包テクニック
解体や梱包の際は、繊維を飛散させないような配慮が必要です。断熱材をむやみに引きちぎったり、高い場所から落としたりすると、粉塵が舞い上がります。丁寧に丸めて、0.03mm以上の厚手の透明なポリ袋に入れましょう。
袋に入れた後は、空気を抜いてから口を粘着テープでしっかりと密閉します。袋が破れると運搬中に飛散する危険があるため、鋭利な破片などが混ざらないように注意してください。
POINT
安全な梱包は、収集運搬業者へのマナーでもあります。
処分までの保管方法と「水濡れ」の注意点
グラスウールやロックウールは繊維の隙間に空気を含む構造のため、水を吸うとスポンジのように水分を保持してしまいます。ここでは、雨や湿気が引き起こすトラブルと、現場で実践すべき正しい保管ルールについて解説します。
雨に濡れると処分が困難になる理由
断熱材が雨に濡れると、処分の難易度が格段に上がります。水を吸った断熱材は重量が数倍に膨れ上がり、運搬効率が著しく低下します。また、水分を含んだ状態では焼却炉の温度を下げる要因となるため、受け入れを拒否する処分場も少なくありません。
さらに、泥水などが混入すると、「汚泥」扱いとなる点にも注意が必要です。汚泥は管理型処分場での埋め立てが必要になるケースが多く、処理ルートが限定されます。水濡れは現場の作業負担を増やすだけでなく、スムーズな完工を妨げる要因となります。
現場での正しい保管と養生
こうしたトラブルを防ぐため、現場での保管は「水気厳禁」が鉄則です。屋外に仮置きせざるを得ない場合は、必ずパレットなどを使用して地面から浮かせ、地盤からの湿気吸い上げを防止します。
その上で、厚手のブルーシートで全体を覆い、隙間から雨水が入り込まないように二重に養生を行ってください。可能であれば、雨の影響を受けない屋内の資材置き場を確保することが望ましいです。
POINT
排出直前まで濡らさない管理を徹底することが、結果として現場の安全と効率化につながります。
以下の記事では、解体工事で発生する廃材の処分方法を詳しく解説しています。廃材を処分する際の注意点も解説しているため、併せてご覧ください。
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グラスウールとロックウールの処分ならビクトリー

株式会社ビクトリーでは、解体に伴う廃棄物の管理も徹底しています。断熱材の扱いは、建物の性能だけでなく、そこで働く職人の健康や環境への配慮が問われる重要なプロセスです。
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まとめ
この記事では、グラスウールとロックウールの性質と処分方法を詳しく解説しました。グラスウールやロックウールは、幅広い建物に使われる断熱材です。処分の際は、単なる「ゴミ捨て」ではなく、法律に基づいた専門的な知識が必要な業務です。
正しい知識を持って処分することは、不法投棄のリスクを回避し、持続可能な社会に貢献することにつながります。個人の方は自治体のルールに従い、事業者の方はコンプライアンスを重視した運用を心がけてください。
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