お役立ちコラム

店舗の閉店や移転に伴い、現在の店舗の解体が必要になることがあります。店舗の解体にはいくつか種類があり、特に良く使われる解体方法が、スケルトン解体です。しかし、スケルトン解体がどういった方法か、分からない人も少なくありません。

そこで、この記事では、店舗のスケルトン解体とその他の解体方式との違いを解説します。あわせて、メリット・デメリット、さらには失敗しない業者選びのポイントまでわかりやすく解説します。

解説する内容を読めば、スケルトン解体や他の解体に関する知識が身につくので、ぜひ最後までご覧ください。

店舗解体とは？

店舗解体とは、契約時の原状回復義務に基づいて営業終了後に内装や設備を撤去し、テナントを貸主に返却するための工事です。ここでは、店舗解体について、以下の3つの点から解説します。

• スケルトン解体
• 内装解体
• 原状回復

スケルトン解体

スケルトン解体とは、コンクリートの床・壁・天井など建物の構造体（スケルトン）だけを残す解体方式です。構造体以外の内装・設備・仕上げ材などは、すべて撤去して契約前の状態に戻します。

飲食店や美容室など店舗設備の多い業種では、スケルトン解体が求められることが多く、特に以下のような工事が含まれます。

• 天井・壁・床材の撤去
• 空調、電気、水道設備の撤去
• 厨房機器や什器備品の撤去
• 必要に応じた排管・配線の処理

内装解体

内装解体は、スケルトン解体に比べて撤去範囲が限定されるのが特徴です。床や天井は撤去せず、主に以下のような内装部分を撤去します。

• クロスやフローリングなどの仕上げ材
• パーティションや造作棚などの軽微な設備
• 照明器具やカウンター、家具類

構造体や水道・電気・空調などのインフラ設備は残すため、比較的短期間かつ低コストで工事が可能です。テナント契約で「簡易な原状回復で可」とされている場合には、内装解体で対応可能なケースもあります。

原状回復

原状回復とは、店舗物件を貸主に返却する際に、契約時の状態に戻すことを指します。スケルトン解体と混同することがありますが、原状回復の定義は契約ごとに異なります。そのため、「原状回復＝スケルトン解体」とは限りません。

原状回復工事の内容には以下のようなものがあります。

• クロス・床材など内装の撤去
• 照明・空調など設備の撤去
• 美装・清掃
• 配線・配管の撤去や処理

店舗をスケルトン解体するメリットとデメリット

スケルトン解体には明確なメリットがありますが、同時にいくつかのリスクや注意点も存在します。ここでは、費用対効果や契約面での判断材料として、メリットとデメリットを整理して解説します。

メリット

スケルトン解体の主なメリットは以下の通りです。

• 契約通りの原状回復を確実に果たせる
• 敷金返還のトラブルが減る
• 次のテナントが決まりやすい
• 近隣への影響が少ない

スケルトン解体を行い、テナントを返却すれば、オーナーとのトラブルを回避できます。また、契約に沿った完全な原状回復が行われるため、敷金の大幅な減額を防げます。

構造体だけの状態は新たな入居者にとって設計の自由度が高く、募集しやすくなる点も、スケルトン解体のメリットです。業者が計画的に養生や騒音対策を講じることで、ビル全体への影響を最小限に抑えることが可能です。

デメリット

一方で、スケルトン解体には以下のようなデメリットもあります。

• 費用が高い
• 工期が長い
• 不要な工事リスク
• 専門業者選定が必須

内装解体に比べスケルトン解体は工事範囲が広く、費用は倍近くになることもあります。また、インフラ撤去や構造体との分離作業が発生するため、内装解体より日数を要することが一般的です。

契約内容によってはスケルトン解体では過剰となることもあります。そのため、不要な工事を行い、無駄な出費が発生する可能性があります。

店舗のスケルトン解体で業者を選ぶ際のポイント

スケルトン解体は専門性が高いため、業者選びが成功のカギを握る重要な工事です。解体内ここでは、店舗オーナーが解体業者を選定する際にチェックすべき以下の5つのポイントを紹介します。

• 必要な許可を取得しているか
• 同様の工事で実績があるか
• 見積書の内容が適切か
• 対応は誠実か
• 工事以外の業務を依頼できるか

必要な許可を取得しているか

解体工事を行うには、建設業法に基づく「解体工事業登録」や、場合によっては「建設業許可」が必要です。これらの許可を取得していない業者に依頼すると、法的なトラブルに発展するリスクがあります。

特に、木造・鉄骨造・RC造など構造によって必要な解体スキルも異なります。対象の建物に対応可能な許可や資格を持つかを確認しましょう。見積もり時に許可証の提示を求めると、信頼性のある業者かどうかを見極める手がかりになります。

同様の工事で実績があるか

過去に同種・同規模のスケルトン解体の実績があるかどうかは、重要な判断材料です。たとえば飲食店や美容室など、設備の複雑な業種に対応した経験がある業者は、撤去・搬出・養生といった工程に精通しています。実績の確認方法としては、以下のような資料や事例が参考になります。

• 施工事例の写真や工事レポート
• 顧客からのレビューや評価
• ホームページでの紹介内容

豊富な経験がある業者は、予期せぬトラブルにも柔軟に対応しやすいため、安心して任せられます。

見積書の内容が適切か

見積書の内容が適切かどうかも、業者選びのポイントです。見積書は金額の提示だけではなく、工事の内容・範囲・単価などが明確に記載されているかが重要です。適切な見積書には以下のような情報が記載されています。

• 項目ごとの工事項目と数量
• 産廃処理費や養生費などの内訳
• 諸経費や予備費の有無

極端に安い見積書の場合、追加費用を請求される恐れもあります。そういったトラブルを防ぐためには、複数の業者から相見積もりを取ることで、費用相場と業者の信頼度を客観的に比較できます。

対応は誠実か

現地調査や相談時の対応が丁寧かどうかも、業者選びにおいて無視できないポイントです。

誠実な業者は、以下のような姿勢を見せる傾向があります。

• 不明点を丁寧に説明してくれる
• 工事に関するリスクも正直に伝えてくれる
• 契約前でも書面での説明をしてくれる

解体工事は、トラブルが起きることも珍しくありません。対応が雑な業者に依頼すると、騒音・粉塵・近隣クレームなどの管理もずさんなケースがあります。その場合、結果的に大きな損失を招くこともあるため、対応の丁寧さに注意する必要があります。

工事以外の業務を依頼できるか

スケルトン解体の後、不要品の処分や清掃、引渡し確認など解体工事以外の対応が必要となる場面も多いです。そのため、以下のような付帯業務もカバーできる業者を選ぶと安心です。

• 廃材の分別・運搬・処理
• 美装工事や簡易補修
• オーナー立ち会い時の報告・書類作成
• 原状回復後の立ち会い調整

こうした工事を一括で依頼できれば、複数業者とのやり取りを減らせるため、時間とコストの節約にもつながります。

店舗のスケルトン解体をスムーズに進めるコツ

スケルトン解体は費用や作業規模が大きくなることが多く、事前準備の差が成功を左右します。スムーズに解体を進めるには、以下の3つのコツが重要です。

• 自分でできる作業は自分でする
• 造作譲渡が可能か確認する
• 工事時期は解体業者に合わせる

自分でできる作業は自分でする

スケルトン解体を依頼する前に、自分でできる片付けや撤去作業を行うことで、費用を抑えられます。具体的には以下のような作業が挙げられます。

• 備品や私物の撤去
• 書類や在庫の整理
• 家具類の分別・運搬準備

業者にすべてを任せると、その分の人件費・時間が費用に反映されます。自分で対応できる範囲を明確にしておけば、見積もり金額もシンプルになり、コストダウンが実現します。費用を抑えたい場合は、自分でできる範囲内で作業することが重要です。

造作譲渡が可能か確認する

造作譲渡が可能かどうかも確認しましょう。「造作譲渡」とは、店舗内の什器や設備、内装などを次のテナントに譲渡し、買い取ってもらう仕組みです。この制度を活用すれば、撤去費用を削減できるうえ、譲渡によって収益を得られる場合もあります。たとえば、以下のような造作物が譲渡の対象になることがあります。

• エアコン、照明器具
• カウンターや棚などの造作家具
• 厨房設備や給排水設備（飲食店）

造作譲渡を希望する場合は、物件の貸主や不動産会社に事前の確認が重要です。

工事時期は解体業者に合わせる

スケルトン解体の依頼が多い年度末や繁忙期は、業者のスケジュールが混み合いがちです。繁忙期に無理矢理工事を進めようとすると、割高な料金設定になることもあります。できる限り業者の空き状況に合わせて工事日程を調整することで、以下のようなメリットが得られます。

• 工事費用の圧縮
• 職人や重機の確保が容易になる
• 工期が安定しやすい

まとめ

この記事では、店舗のスケルトン解体について解説しました。スケルトン解体は、店舗を原状回復して返却するうえで重要な工事です。しかし、方法や契約内容について理解が不十分だと、無駄な出費やトラブルを招く原因にもなります。

また、この記事で解説したようなコツを使うことで優良な業者を選び、スムーズに工事を進められます。店舗のスケルトン解体が必要な人は、解説した内容を参考に、工事を進める方法を検討してみてください。

店舗のスケルトン解体ならビクトリーにおまかせ

費用面やスケジュール調整についても柔軟に対応しているため、初めて解体工事を検討する店舗オーナーにも安心です。詳細・無料見積もりはこちらからご相談下さい。スケルトン解体を検討している人は、ぜひビクトリーにご相談ください。